先行自転車の急ブレーキにより後行自転車が追突した事故

京都地裁平成24年3月7日判決(自保ジャーナル1880号)

事案

道路上において、前方を走行する自転車が落下した荷物を拾うため急ブレーキをかけ停車したところ、後方から進行してきた自転車が衝突したという、自転車同士の交通事故です。

以下の事情が考慮されています。

  • 自転車の急ブレーキ
  • 自転車の車間距離の保持義務
自転車同士(歩道上)の裁判例
自転車同士(車道上)の裁判例

過失割合

過失割合は自転車30%対自転車70%

自転車30% 対 自転車70%

裁判所の判断

裁判所は、過失割合について以下のとおり判断しました。

「被告には、安全を確保するために特に必要とされる事情がないのに、後続車の進行を妨害するような急ブレーキをかけたものとして、道路交通法24条違反の過失が認められ、被告は、原告に対し、民法709条に基づく責任を負う(なお、原告は、明示的には道路交通法24条違反の主張をしていないが、原告の車間距離及び停止距離を問題にしており、原告の上記主張に、急停車により走行妨害されたとの主張を予備的に含むものと解して差し支えないものと考える。)。

一方、原告は、前方を進行する車両の状況を注視せず、車間距離の保持を怠った過失が認められ、両者の過失を考慮すれば、原告の過失を7、被告の過失を3とするのが相当である。」

裁判所は、先行自転車が急ブレーキをかけており道路交通法24条違反の過失が認められるとして、先行自転車の過失を3割、後行自転車(追突した自転車)の過失を7割と判断しました。

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解説

自転車の追突事故ですが、先行自転車にも急ブレーキの過失があるとして3割の過失を認めています。

類似の裁判例

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歩道上で自転車同士が衝突した事故です。

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