歩道で携帯電話を使用する歩行者に自転車が衝突した事故

名古屋地裁平成26年12月26日判決(自保ジャーナル1941号)

事案

歩道上歩行者が右手に鞄を持ち左手で携帯電話を使用していたところ、前方からきた自転車が歩行者の右手に衝突した、自転車と歩行者の交通事故です。

以下の事情が考慮されていますので、参考にしてください。

  • 自転車の歩道の通行
  • 歩行者の歩道での携帯電話の使用
自転車と歩行者(歩道上)の裁判例
自転車と歩行者(車道上)の裁判例

過失割合

過失割合は歩行者0%対自転車100%

歩行者0% 対 自転車100%

裁判所の判断

歩行者が携帯電話を操作していたことから過失相殺が争点となったところ、裁判所は以下のとおり判断しました。

「証拠(略)によれば、被告車は、歩道の中央からやや店舗寄りを西から東に向かい時速約10キロメートル程度で走行中、前方に東に向かう数名の歩行者の集団を認め、その南側を通りぬけようとした際、更にその南側を前方から、右手に鞄を持ち左手で携帯電話機を操作しながら歩行してくる原告の右手に、被告車の右ハンドルが衝突したものと認められる。

原則として、歩行者は歩道上において最大限保護されるべきであり、被告車が歩道中央から車道寄りを徐行していなかった本件において、過失相殺の適用される余地はないというべきである。過失相殺に関する被告の主張は採用できない。」

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解説

概要

裁判所は、本件では自転車が歩道中央から車道寄りを徐行していなかったことを踏まえ、過失相殺の適用される余地はないとしたものです。

歩道の通行について

自転車は原則として歩道を通行することはできませんが、歩道通行可と指定された歩道であれば通行することができます。

自転車が歩道を通行するときでも、自転車は歩行者の優先、徐行義務、走行位置など、厳しいルールを守らなければなりません。

⇒自転車の歩道通行については自転車は歩道を通行できるのか?で解説しています。

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