歩道上で先行自転車が急に左折し後行自転車が衝突した事故

大阪地裁平成24年9月21日判決(自保ジャーナル1893号)

事案

歩道上先行自転車が合図なく急に左折し、後行自転車が進路をふさがれて衝突したという、自転車同士の交通事故です。

以下の事情が考慮されていますので、参考にしてください。

  • 前方自転車の進路変更
自転車同士(歩道上)の裁判例
自転車同士(車道上)の裁判例

過失割合

過失割合は自転車20%対自転車80%

自転車20% 対 自転車80%

裁判所の判断

裁判所は過失割合について以下のとおり判断しました。

「本件事故の態様は、原告が、左折の合図をすることもなく、急に左折したので、被告は、進路前方をふさがれて、原告自転車の左側面が被告の自転車の前面と接触したというものであることになる。

一方、被告においても、特に交差点の近くでは、周囲の自転車や歩行者が停止したり、進路を変えたりする可能性を予見すべきであったから、前方や周囲の自転車や歩行等の動静によく注意すべき義務はあったといえ、本件事故について、責任があるといえる。その過失割合は、上記認定事実のもとでは、原告8対被告2というべきである。」

裁判所は、先行自転車が意図して左折したのではなく、ふらついた結果左折した可能性もあるとしたが、過失割合については上記のとおり判断したものです。

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解説

後方確認義務について

自転車は後続車の速度や方向を急に変更させるおそれがあるような進路変更はしてはならないとされています(道路交通法26条の2第2項)。

後方を十分に確認せずに急に進行方向を変更したことが大きな過失として評価されています。

⇒自転車の後方確認義務については自転車が後続車との関係で注意すべきことは?で解説しています。

類似の裁判例

裁判例①

歩道上の自転車同士の事故の裁判例です。

歩道上で同一方向へ進行する自転車同士が接触した事故