歩道上で荷下ろし中の荷物(パイプ)に自転車が衝突して転倒した事故の裁判例

仙台地裁平成23年8月9日判決(自保ジャーナル1874号)

事案

自動車を駐車して釣り道具を車から歩道に下していたところ、釣り道具(たも網に取り付けるパイプ)が歩道を走行していた自転車の車輪に挟まり、自転車が転倒したという事故です。

自転車運転者は治療費等を請求し、荷下ろしをしていた者は自動車修理費(パイプが跳ね飛ばされ自動車が損傷した)を請求しました。

その他

裁判所の判断

裁判所は、本件事故を歩道上の歩行者対自転車の事故であると見て、自転車側の過失は重いとした上で、歩行者側の過失について以下のとおり述べました。

「前述の研究会報告にあるとおり、例えば、見通しの悪い場所から歩道に進入する歩行者に安全確認義務を課すとしても、その義務の程度は、対人との関係で要求される程度にとどめるべきであって、自転車が歩道上を頻繁に通行していることを前提とした安全確認義務を課すのは、歩道という性格上、行き過ぎであるという見解には説得力がある。本訴被告に要求される注意義務の程度も、通常、歩道を通行等してくる者に対する関係で要求される程度のもので足りるものと解され、この点だけからすると、歩行者である本訴被告の基本過失割合0%を修正する必要がないようにも思われる。しかしながら、仮に違反自転車が歩道上を走行してこないものと信頼していたとしても、歩道上で他者の安全な通行の妨げになりうる行為をしている者については、単なる歩行者以上の注意義務が課されるというべきである。本件は、基本過失割合を修正しうる事案である。」

裁判所は、釣り道具はステンレス製の棒であり、これを扱う際には歩道上を歩行してくる者等との関係で生じる程度の危険を回避すべき注意義務があるところ、かかる義務を果たしていないとして歩行者側に1割の過失を認めたものです。

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解説

歩道の通行について

自転車は原則として歩道を通行することはできませんが、歩道通行可と指定された歩道であれば通行することができます。

自転車が歩道を通行するときでも、自転車は歩行者の優先、徐行義務、走行位置など、厳しいルールを守らなければなりません。

⇒自転車の歩道の通行については自転車は歩道を通行できるのか?で解説しています。

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