13歳男子の自転車事故につき両親の責任を認めた裁判例

大阪地裁平成27年1月29日判決(自保ジャーナル1942号)

事案

歩道歩行中の被害者に、13歳男子が運転する自転車が背後から衝突した、自転車と歩行者の交通事故です。

その他

裁判所の判断

裁判所は、本件被害者については衝突を容易に回避できる状況にあったとはいえないとして、過失相殺を行いませんでした。

自転車が歩道を通行するにあたって、自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなる場合には一時停止しなければならない(道交法63条の4第2項)のであって、歩道の通行に当たっては歩行者が自転車に全面的に優先するものである。そうすると、歩道上における歩行者と自転車の事故において歩行者に過失相殺が認められるのは、自転車通行可の歩道において、自転車が徐行していたにもかかわらず、歩行者が大きなふらつきや急な飛び出しなど予想外の行動をとったことに、よって衝突したもので、歩行者において僅かな注意を払えば事故を容易に回避できたといえる場合に限られる。」

また、13歳男子の両親の責任について以下のとおり判断し、両親に不法行為責任を認めました。

極めて若年である(被告)に対し、自転車の歩道通行は少なくとも例外的なものであり、歩行者に絶対的な優先権があって、歩行者の存在を認めた時にはいつでも停止できるような低速度でのみ走行すべきことを十二分に教育しておく必要があった」ところ、「効果的な教育を行えていたとは認められず、その結果、(被告)は歩道上を上記のような態様で走行し、事故を起こしたものといえる(単純な不注意による前方不注視や安全確認義務違反を原因とする事故であれば、指導の有無にかかわらず一定程度不可避的に生じるものといえるが、上記のとおり、本件における(被告)の過失はそれに尽きるものではない。)。」
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解説

⇒自転車が歩行者に歩道で衝突した事故については自転車と歩行者の事故の過失割合で解説しています。

⇒自転車の歩道の通行については自転車は歩道を通行できるのか?で解説しています。

裁判所が認めた慰謝料と損害額

裁判所は、入通院慰謝料100万円、後遺障害慰謝料110万円を含む392万6526円を損害として認めました。