「普通自転車」とはなにか?

弁護士 髙橋裕也

執筆者:西宮原法律事務所

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普通自転車

普通自転車とはどのような自転車で、法律上どのような扱いをされるのかについて解説します。

道路交通法では普通自転車について定義し、普通自転車の特例となる通行法について定めています。

このページで解決するお悩み

  1. 普通自転車がどのようなものかわかる
  2. 普通自転車に認められた特例がわかる

普通自転車とは

自転車は、道路交通法上は「軽車両」にあたるため(道路交通法2条1項11号)、基本的には車両と同じ交通法規に従う事になりますが(道路交通法2条1項8号)、道路交通法は「普通自転車」の交通方法について特例を設けています。

第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。

引用元:e-GOV法令検索、道路交通法63条の3

このように、「普通自転車」とは、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないものをいいます。

これまで、普通自転車は「二輪または三輪の自転車」とされていたのですが、令和2年12月1日施行の法改正により四輪の自転車でも普通自転車にあたるものとされました。

道路交通法施行規則9条の2の2では、内閣府令で定める基準について、以下のとおり規定しています。

道路交通法施行規則9条の2の2

法第63条の3の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。

1 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。

イ 長さ 190センチメートル

ロ 幅 60センチメートル

2 車体の構造は、次に掲げるものであること。

イ 側車を付していないこと。

ロ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く)を備えていないこと。

ハ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。

ニ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。

引用元:道路交通法施行規則9条の2

このままではわかりにくいので、警視庁の説明を引用します。

一般に使用されている自転車で、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で他の車両をけん引していないものをいいます。

内閣府令
車体の大きさ
長さ 190センチメートル以内
幅 60センチメートル以内
車体の構造
側車をつけていないこと。(補助輪は除く)
運転者以外の乗車装置を備えていないこと。(幼児用乗車装置を除く)
ブレーキが、走行中容易に操作できる位置にあること。
歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。

引用元:警視庁、自転車の交通ルール

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普通自転車の特例

普通自転車の通行方法として以下の定めがあります。

普通自転車の通行方法は、自転車事故の過失割合を決めるときに意味を持ちます。

参考⇒自転車事故の過失割合と裁判例

①普通自転車は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合や、道路の状況からやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならないとされています(道路交通法63条の3)。

自転車が道路を通行するときのルールは?

②普通自転車は、歩道を通行できる場合があるとされています(道路交通法63条の4)。

自転車は歩道を通行できるのか?

③普通自転車は、道路標識等で並進することができるとされている道路では、2台まで他の普通自転車と並進することができるとされています(道路交通法63条の5)。

まとめ

普通自転車については、自動車などと異なる交通方法の特例が設けられていますので、「普通自転車とはなにか?」を確認する意味があるのです。

弁護士 髙橋裕也

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西宮原法律事務所
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2007年に弁護士登録後、大阪の法律事務所で交通事故事件を中心とした弁護士業務を行う。
弁護士として15年以上の経験があり、自転車事故の損害賠償事件を多く扱うとともに、自転車事故の専門サイトを立ち上げ、自転車事故の被害者に向けた情報を発信している。
大阪弁護士会の「分野別登録弁護士名簿」に「交通事故分野」で登録しており、大阪弁護士会のホームページに実務経験として自転車事故の解決実績を掲載している。

弁護士(大阪弁護士会所属 登録番号35297)

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