歩道を直進する自転車と歩行者が衝突した事故の事例
令和3年1月21日大阪地裁判決(交民54巻1号)
事案
自転車が歩道を直進していたところ、歩道上の歩行者と衝突したという、自転車対歩行者の交通事故です。
裁判所は過失割合を自転車100%対歩行者0%としました。
以下の事情が考慮されていますので、類似する事故の過失割合で参考になる事例です。
- 歩道を通行する自転車と歩行者の事故
- 被害者が高齢者であることの考慮
- 歩道の普通自転車通行してい部分での衝突か否か
過失割合

自転車100% 対 歩行者0%
裁判所の判断
裁判所は、歩行者が歩道の普通自転車通行指定部分にいたと認める証拠はない以上,仮に歩行者が下を向いて前方を注視していなかったとしても、そのことをもって過失相殺をすべきほどの過失があるとはいえないとして、過失相殺を認めませんでした。
解説
概要
本件では歩行者が普通自転車通行指定部分にいたかが争いになりましたが、裁判所はこれを認めずに歩行者に過失はないとしました。
普通自転車通行指定部分にいたと認めた上で歩行者の過失を認めなかったわけではないので注意が必要です。
なお、自転車と歩行者の事故の過失割合は「別冊判例タイムズ39 民事交通訴訟における過失相殺率の認定 全訂6版」を参考に決められるところ、歩行者が普通自転車通行指定部分を通行していたことのみをもって過失を重くするのは相当でないとされています。
自転車の歩道の通行
自転車は原則として歩道の通行不可とされていますが、自転車通行可とされた歩道などでは通行することもできます。
ただし、自転車が通行できる歩道でも、歩道の中央より車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げない義務があり、厳しい条件に従う必要があります。
自転車の歩道上の事故では、自転車が通行できる歩道であり、そうした厳しい条件を守って走行しているかが問題となります。
関連するページ
類似の裁判例
裁判例①
歩道上で対向する自転車のハンドルが歩行者の腕に接触した事故です。
本件と同様に歩行者の過失を認めませんでした。














