バスに乗車する際に、バスと歩道の間を走行してきた自転車に衝突された事故

名古屋地裁平成20年6月27日判決(交通事故民事裁判例集41巻3号)

事案

バス停から乗車待機中のバスに乗ろうとしたところ、バスと歩道の間を走行してきた自転車に衝突されたという、自転車と歩行者の交通事故です。

自転車と歩行者(歩道上)の裁判例
自転車と歩行者(車道上)の裁判例

過失割合

過失割合は歩行者0%対自転車100%

歩行者0% 対 自転車100%

裁判所の判断

裁判所は過失相殺について以下のとおり判断しました。

「原告についてみると、本件バスに乗車するに際し、右方の安全を十分に確認していれば被告自転車を発見し、衝突を回避できた可能性を否定できない。しかし、上記(一)認定のとおり、本件バスは、前方の乗車口を本件バス停に近付けてやや斜めに停車し、乗車扉を開け、後部左寄りの左ウィンカー及び乗降中表示灯を点灯して乗車待機中であったのであり、そのようなバスと歩道の間を、自転車が相当早い速度で走行してくることは通常考えにくい。したがって、原告が右方の安全を十分に確認しないまま本件バスに乗車したことが、過失相殺をすべき事情に当たるということはできない。」
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解説

歩行者が安全確認をすれば自転車を回避可能としながら、自転車がバスと歩道の間を相当高速度で走行してくることは通常考えにくいとして、過失相殺の主張を認めませんでした。

⇒自転車と歩行者の衝突事故については自転車と歩行者の事故の過失割合で解説しています。

裁判所が認めた慰謝料と損害額

裁判所は、通院慰謝料150万円、後遺障害慰謝料110万円を含む422万4750円を損害として認めました。