赤信号を横断した自転車が原因で発生した自動車の玉突き事故

東京地裁平成21年12月16日判決(自保ジャーナル1826号)

事案

自転車が赤信号で横断歩道を横断したため、これを発見した自動車が停止し、続く自動車も停止したが、さらに続く自動車が停止することができずに玉突き事故が発生したものであり、自転車対自動車の非接触の交通事故です。

自転車と自動車・単車の裁判例

過失割合

30% 対 70%

裁判所の判断

裁判所は、自転車と自動車(停止しきれなかった3台目の自動車)の過失割合について以下のとおり判断しました。

「被告は、被告車両を運転し、対面信号機が赤色であったにもかかわらず、これを看過してa通りを横断しようとしたため、これが原因となって本件事故が発生したのであるから、民法709条に基づく損害賠償責任を負う。

そして、本件事故現場が片側3車線の幹線道路であること、対面信号機が赤色であったにもかかわらず、一時停止もしないまま、被告が横断歩道上に被告車両を進入させたこと、他方、原告が原告車両を丁山車両に追突させたことについて、原告に車間距離保持義務違反又は前方注視義務違反の過失があったといえること、被告車両と丙川車両は接触していないこと、被告車両が自転車横断帯の併設された横断歩道上を進行していたことなどに照らすと、本件事故の発生に関する原告と被告との過失割合は、原告30%、被告70%とするのが相当である。」

裁判所は、自転車と自動車が接触していない事故ではあるものの、赤信号横断が事故の発生原因であるとして自転車運転者の責任を認めました。

しかし、自動車側にも車間距離保持義務違反、前方注視義務違反が認められることや、非接触事故であること、(赤信号とはいえ)横断歩道を進行していたことなどから、自動車側の過失割合を3割としたものです。

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