道路上の脚立に自転車が接触し、作業者が脚立もろとも転倒した事故

横浜地裁平成25年6月6日判決(自保ジャーナル1902号)

事案

道路上で脚立を立てて庭木の剪定作業が行われていたところ、自転車が脚立の脚の間を通過しようとして脚の間に張られていた金属チェーンに接触し、作業員を脚立もろとも転倒させてしまったという、自転車と歩行者の交通事故です。

自転車と歩行者(歩道上)の裁判例
自転車と歩行者(車道上)の裁判例

過失割合

歩行者 50% 対 自転車 50%

裁判所の判断

裁判所は、過失割合について以下のとおり判断しました。

「被告は、本件事故現場を自転車で通行するに際し、本件脚立の間に本件チェーンが張られていることを確認できたにもかかわらずこれに気付かず、前方不注意のまま、漫然と本件脚立の下を自転車で走行したものであり、したがって、被告には、本件事故の発生につき過失があると認められる。

他方で、前記(1)認定の事実を総合すると、甲野太郎にも、生活道路である本件道路の幅員いっぱいに、高さ約3.55メートルの本件脚立を立て、事実上本件道路の通行を妨害し、しかも通行人に対し危険を知らせるような措置を全く講じていなかった点に過失があるといわざるを得ない。

そして、前記認定にかかる本件事故の態様及び双方の過失の態様を考慮すると、甲野太郎と被告との過失割合は、それぞれ50%と認めるのが相当である。」

裁判所は、被告(自転車運転者)が、事故の20分前に現場を歩いて通ったときにチェーンをくぐって通行したこと、通常自転車を運転する者の注意力をもってすれば、少なくとも約10メートル手前でチェーンが張られていたことを視認することができたことを認めたうえで、被告の過失を認定したものです。

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