11歳の子どもの自転車での事故につき両親に民法714条1項の責任を認めた裁判例

横浜地裁平成23年3月24日判決(自保ジャーナル1852号)

事案

歩道上の歩行者に、11歳の子どもが乗る自転車が後方から衝突した事故で、歩行者と自転車の交通事故です。

その他

裁判所の判断

裁判所は、11歳の子どもに責任能力がないことを前提に、両親について以下のとおり民法714条1項の責任を認めました。

「本件事故については、三郎に前方不注視の過失があるものと認められる。

証拠(被告次郎)によれば、被告らは、三郎に対し、自転車の運転について、日頃から、交通ルールに従い、スピードを出しすぎないこと、歩行者に注意することなどを伝えていたことは認められるが、被告らが監督義務者としての監督義務を怠らなかったことを認めるには足りないから、被告らは、民法714条1項に基づき、本件事故によって原告に生じた損害を賠償する義務を負うものといえる。」

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解説

本件では、両親の監督義務違反についてさほど大きな争点になっていなかったようで、裁判所の判断理由も簡潔なものですが、子どもに対して「交通ルールに従いスピードを出しすぎないこと」、「歩行者に注意すること」などを伝えていただけでは監督義務を果たしたことにはならないとしており、監督義務について争いになる事件では参考になるといえます。