自転車事故で入院したときの慰謝料の計算方法や事例は?

弁護士 髙橋裕也

執筆者:西宮原法律事務所

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自転車事故で入院

自転車事故で入院したときの慰謝料の基準、相場はいくらぐらいなのでしょうか?

自転車事故で入院したことによる慰謝料は、例えば1か月の入院で53万円、2か月の入院で101万円というように、入院期間によって算定されることになります。

入院するということは、それだけ大きな怪我をしたということですし、生活上の不自由も大きかったわけですから、自転車事故であっても慰謝料を請求することができます。

入院慰謝料の基準や計算法について解説していきます。

自転車事故の慰謝料の基準

自転車事故で入院、通院したときの慰謝料には、自賠責基準保険会社基準裁判基準(弁護士基準)の3つの基準があります。

自賠責基準

自賠責保険の計算方法に従った慰謝料の計算方法です。

(計算式)

4300円×通院日数×2

自転車事故では自賠責保険による支払いはありませんが、保険会社は慰謝料の計算方法としてこの基準を採用することが多くあります。

慰謝料が最も低くなる計算方法です。

保険会社基準

保険会社の内部的な基準に従った計算方法です。

自賠責保険よりは高額の慰謝料となりますが、裁判基準よりは低額の慰謝料となります。

保険会社から示される賠償案では、自賠責基準か保険会社基準で計算された慰謝料となっています。

裁判基準

裁判で採用される慰謝料の計算方法です。

最も高額となる基準ですが、個人で交渉して裁判基準の慰謝料を認めてもらうのは難しく、弁護士による交渉(あるいは訴訟)が必要となります。

入院

裁判基準の慰謝料の計算方法

自転車事故の入院慰謝料について、裁判基準で計算する方法を解説します。

慰謝料の算定表

自転車事故で入院したときの慰謝料は、以下の表に従って算定します、

自転車事故の慰謝料

算定表の縦軸が通院期間、横軸が入院期間なので、入院1月、通院0日であれば慰謝料は53万円となります。

具体的な計算方法

入院期間は1か月、2か月と切りのいい期間ばかりではありません。

慰謝料の計算では1か月を30日として計算することになっており、例えば入院期間が40日であれば、何月に入院していても「入院期間1月と10日間」として計算することになっています

入院期間が「1月と10日間」であれば、以下の計算式で入院慰謝料は34万3333円となります。

(計算式)

49万円-27万円÷30日×10日=7万3333円

27万円+7万3333円=34万3333円

入院期間とされるのは?

医師の指示により入院した日から退院した日までが入院期間となります。

入院期間については病院の領収書などで証明することができます。

自宅でギブス固定されていた期間につきましても、固定による生活への支障の程度も踏まえ、入院期間に含めることもあるとされています。

また、医師の指示ではなく、本人の強い希望で入院した場合などは、入院期間として評価されないこともあります。

自転車事故の損害賠償

自転車事故の損害賠償請求では、治療費、休業損害、慰謝料などを請求することができますので、入院による慰謝料というのは損害賠償金のうちの一部に過ぎません。

また、入院するほどの大きな怪我をしたのであれば、後遺障害を主張することにより、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益を請求できる可能性もあります。

自転車事故の後遺障害については、自転車事故でも後遺障害の主張ができるの?で詳しく解説しています。

自転車事故で入院したときは、損害賠償請求について弁護士に相談することをお勧めします。

西宮原法律事務所の
顧問医のご紹介

顧問医師

顧問医師
濱口 裕之/はまぐち ひろゆき

西宮原法律事務所の顧問医師を務めている濱口裕之です。交通事故被害者の皆様にお伝えしたいことがあります。後遺障害認定においては、主治医が作成する後遺障害診断書や画像検査、各種検査がとても重要です。しかし、多忙な主治医の中には、後遺症を正確に反映した診断書の作成や、後遺障害を証明するために必要な画像検査や各種検査を積極的に提案してくれないケースも珍しくありません。

私が代表を務めているメディカルコンサルティング合同会社は、西宮原法律事務所から依頼を受けた交通事故被害者の方々を、交通事故に詳しい各科の専門医が作成する画像鑑定や医師意見書などでバックアップしています。

私たちは、西宮原法律事務所と連携して、多くの案件で交通事故被害者の後遺障害を証明してきました。このページをご覧になっている交通事故の被害者の方々が、適正な損害賠償を受けられるように、私たちが全力でサポートいたします。安心して西宮原法律事務所にご相談ください。

資格および所属メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 兼 CEO
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本リウマチ学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
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執筆者

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2007年に弁護士登録後、大阪の法律事務所で交通事故事件を中心とした弁護士業務を行う。
弁護士として15年以上の経験があり、自転車事故の損害賠償事件を多く扱うとともに、自転車事故の専門サイトを立ち上げ、自転車事故の被害者に向けた情報を発信している。
大阪弁護士会の「分野別登録弁護士名簿」に「交通事故分野」で登録しており、大阪弁護士会のホームページに実務経験として自転車事故の解決実績を掲載している。

弁護士(大阪弁護士会所属 登録番号35297)

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