横断歩道を途中から右折した自転車と、横断歩道通過自転車が衝突した事故

東京地裁平成２５年１０月２９日判決（自保ジャーナル１９１２号）

事案

横断歩道を横断中に右折した自転車と、左側から進行してきて横断歩道を通過した自転車が衝突した、自転車同士の交通事故です。

自転車同士（歩道上）の裁判例
自転車同士（車道上）の裁判例

過失割合

過失割合は自転車３０%対自転車７０%

自転車３０％　対　自転車７０％

裁判所の判断

裁判所は過失割合について以下のとおり判断しました。

「原告は、自転車を運転して、本件横断歩道の途中から右折を開始して本件道路を横切るに当たっては、左方から直進してくる自転車等の動向に十分注意すべきでもあるにもかかわらずこれを怠り、被告自転車を見落とし、被告自転車の右斜め後方から衝突したものであり、その過失は重大である（なお、本件事故現場は交差点ではないから、原告には道路交通法３４条３項違反はない。）。

他方、本件道路は、原告と同様の方法で横断する自転車等が多かったのであるから、被告は、本件横断歩道を通過した後も、本件道路を横断する自転車等の存在に注意を払うべきであったにもかかわらずこれを怠り、前方のみを注視していて被告自転車と衝突するまでその存在に気付かなかった（被告本人）過失がある。

以上によれば、本件事故については、原告の過失の方が大きく、その割合は、原告７割、被告３割と認めるのが相当である。」

電話での簡単なご質問にも対応！お気軽にご相談ください
お電話で無料相談
LINEで無料相談

類似の裁判例

横断歩道を横断中に進路変更するにあたり、左方から進行してくる自転車の確認を行った過失を重大であると判断しました。

裁判例①

歩道上の同一方向に進行する自転車同士の事故の裁判例です。

⇒歩道上で同一方向へ進行する自転車同士が接触した事故

裁判例②

歩道上で先行自転車が進路変更した事故の裁判例です。

⇒歩道上で先行自転車が急に左折し後行自転車が衝突した事故

裁判所が認めた慰謝料と損害額

裁判所は、入通院慰謝料３０万円を含む３４万５４９０円を損害として認め、過失相殺後の金額を１０万３６４７円としました。