自転車同士の出会い頭の衝突事故で一時停止違反があった事故

大阪地裁平成10年10月1日判決(交通事故民事裁判例集31巻5号)

事案

自転車同士交差点で出合い頭に衝突したという、自転車同士の交通事故です。

以下の事情が考慮されていますので、参考にしてください。

  • 自転車の一時停止義務違反
自転車同士(歩道上)の裁判例
自転車同士(車道上)の裁判例

過失割合

過失割合は自転車30%対自転車70%

自転車30% 対 自転車70%

裁判所の判断

裁判所は過失割合について以下のとおり判断しました。

「本件事故は、原告が左前方の注視を欠き、かつ、一時停止線で停止することなく本件交差点に進入したことによって発生したものであって、その責任の大半は原告側にあるというべきであるが、被告としても、原告自転車の動静に注意し、速度や進路を調整することにより本件事故を十分に避けることが期待されていたというべきであって、右のような事情を考慮すれば、本件事故の過失割合については、原告7に対して被告3とするのが相当である。」
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解説

概要

自転車同士の交差点での事故で、一時停止義務違反を重くみた判断を行ったものです。

自転車の一時停止について

自転車も一時停止の指定のある交差点では一時停止をする義務があります。

原告に一時停止違反が認められることから過失相殺が行われています。

⇒自転車の一時停止については自転車も交差点で一時停止の必要があるの?で解説しています。

  • 一方に一時停止義務違反があることを踏まえ過失割合を判断した

類似の裁判例

裁判例①

左折自転車側に一時停止義務違反のあった事故の裁判例です。

一時停止違反の左折自転車と直進自転車が衝突した事故

裁判例②

自転車同士の事故で一時停止違反の自転車の過失が85%とされました。

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裁判所が認めた慰謝料と損害額

裁判所は、入通院慰謝料155万円、後遺障害慰謝料230万円を含む946万7411円を損害として認め、過失相殺後の金額を284万0223円としました。