自転車が交差点を曲がるときのルールは?

弁護士 髙橋裕也

執筆者:西宮原法律事務所

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自転車が交差点を曲がるときのルールは?

自転車が交差点を右折したり、左折したりするときのルールには、どのようなものがあるのでしょうか?

自転車が交差点を右折するときは、道路の左側端に寄り、左側端に沿って右折するという、いわゆる二段階右折の方法をとる必要があります。

自転車が交差点を左折するときは、できる限り道路の左側端に寄り、できる限り道路の左側端に沿って徐行しなければならないとされています。

自転車事故に遭ったときに、そうしたルールを守っていなかったために、被害者にも過失があると主張されてしまうことがあります。

自転車が交差点を右左折するときの交通ルールや、交通ルールに違反したときの過失について解説します。

このページで解決するお悩み

  1. 自転車が交差点を曲がる方法がわかる
  2. 自転車の交差点での事故の過失割合がわかる

自転車が交差点を左折する方法

自転車は、道路交通法上は軽車両にあたり、右左折の方法について定めがあります。

左折の方法について、道路交通法34条1項が以下のとおり規定しています。

第34条1項 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできるかぎり道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索、道路交通法第34条

自転車が交差点を左折するときには、できる限り道路の左側端に寄りできる限り道路の左側端に沿って徐行しなければならないとされています。

青い矢印で示されたとおり、道路の左端を通行しながら左折することが求められています。

自転車が交差点を右折する方法

自転車が交差点を右折する方法については、道路交通法34条3項が以下のとおり規定しています。

第三十四条

3 軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿って徐行しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索、道路交通法第34条

このように、自転車が交差点を右折するときには、いわゆる二段階右折によることとされています。

自動車が交差点を右折する方法については、道路交通法34条2項に規定があります。

第三十四条

2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。

引用元:e-Gov法令検索、道路交通法第34条

自動車は交差点を右折するときは、道路の中央に寄り、交差点の中心の直近の内側を通行することとされています。

青い矢印で示されたのが自転車が交差点で右折するときに通行するルートです。

自転車は道路の左側端に寄り、左側端に沿って右折しなければなりません。

オレンジの矢印で示されたのが自動車が右折するときに通行するルートです。

交差点の中心の直近の内側を走行して右折しなければなりません。

参照:警視庁、自転車の交通ルール

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交差点で自転車が右左折して発生した事故の過失割合

自転車事故の損害賠償では、慰謝料などの損害賠償額が大きくても、過失割合によって大きく減額されてしまう場合もあります。

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自転車同士の事故の過失割合については、「自転車同士の事故の過失相殺基準(第一次試案)」(赤本 下巻 )というものを参考にし、過失割合について検討していくことになります。

前方を走行する自転車が右折や左折をし、後方から走行してきた自転車が衝突したという事故の基本過失割合は、前方自転車が65%、後続自転車が35%とされています。

右(左)折車と後続直進車の事故の過失割合

左折自転車と後方自転車の事故については、左折自転車が左側端を走行して左折する義務に違反していることが前提となっています。

右折自転車と後方自転車の事故についても、右折自転車が左側端を走行して右折する義務に違反することが前提となっています。

前方自転車がこうした義務に違反したことから、後続車と衝突する危険を高めたとして、前方自転車の過失が重いとされているのです。

自転車同士(歩道上)の裁判例
自転車同士(車道上)の裁判例

まとめ

自転車は交差点の左端を走行して左折する義務があり、右折についても左端を走行して右折する義務があります。

自動車とは右折の方法が異なるので注意が必要です。

こうした右左折の方法を守らずに自転車事故が発生すると、前方で右左折をした自転車の方が、後続車よりも過失が重いとされてしまう可能性がありますので、自転車事故の損害賠償請求では注意が必要です。

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2007年に弁護士登録後、大阪の法律事務所で交通事故事件を中心とした弁護士業務を行う。
弁護士として15年以上の経験があり、自転車事故の損害賠償事件を多く扱うとともに、自転車事故の専門サイトを立ち上げ、自転車事故の被害者に向けた情報を発信している。
大阪弁護士会の「分野別登録弁護士名簿」に「交通事故分野」で登録しており、大阪弁護士会のホームページに実務経験として自転車事故の解決実績を掲載している。

弁護士(大阪弁護士会所属 登録番号35297)

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